財閥解体後に急成長した企業の中には、M、S、K、Dのように、創業者が大株主と経営者を兼ねる大企業もあった。
そういう企業はよく目立つが、少数派である。
日本経済の主流は、旧財閥を母体とした企業グループが担っていた。
日本の経営者は、現金のかたちでもらう報酬はさほど高くないし、あまり、期待もしていない。
彼らが会社に期待するのは、むしろ、専用の秘書、専用の個室、運転手つきの専用車、自由にできる接待費やゴルフの会員権など、自らの虚栄心を満足させ、自分が重要な人物であると見せるための仕掛である。
高度成長期を通じて確立された終身雇用体制の下で、日本の大企業にはサラリーマンしかいなくなった。
コーポレート・ガバナンスは、サラリーマンの自治統治である。
株式は企業同士で持ち合う。
つまり、出資者は、同じようにサラリーマンによって自治統治されている他の企業である。
出資者としての取り分には関心を持たない。
株主、経営者、労働者の区別は形式的にしか存在していない。
実質的にはサラリーマンしかいなかった。
だから、株主、経営者、労働者の利害対立はなかったし、コーポレート・ガバナンスが問題になることもなかった。
そのころ日本の政治も、同じような状況にあった。
自民党と社会党は、野次を飛ばし合ったり、乱闘したりして、外からは厳しく対立しているように見えた。
しかし、実際は、裏でつながっていて、野次も乱闘もだいたいの筋書きが決まっていたのである。
サラリーマン独裁の日本的経営も自民党独裁の日本的政治も、90年代に入って崩壊した。
なぜか。
両方とも、冷戦の間しか通用しない制度であったからである。
冷戦期の日本は、世界の中で例外的に恵まれた環境に置かれていた。
アメリカの核の傘の下に置かれた日本は、冷戦を生き抜くためのコストをほとんど払わずに済んだ。
たとえば、となりの朝鮮半島の人々は、冷戦に巻き込まれたために、朝鮮戦争という莫大なコストを支払わされた。
一方、日本経済は、その朝鮮戦争をきっかけにして戦後復興を果たしたのである。
日本以外の多くの国にとって、冷戦は、たしかに戦争であったのだ。
戦時体制は、経済の効率を非常に損なう。
その負担は、軍事費の絶対額や、GDPに占める軍事費の割合だけでは計れない。
たとえば、理工系の秀才が軍事産業に従事すれば、民間企業の技術開発の能力が低下する。
冷戦が終わって90年代に入った途端、アメリカ経済の成長性はぐんぐん上昇して日本を追い抜いた。
似顔絵 ウェルカムボードユーザーの関係改善は、似顔絵 ウェルカムボードを国際社会に認めさせるための追い風になるはずです。